かまくらが教えてくれる 公共性について

それがあることでみんなが笑顔になれる。
それがあることで、その場所を、街を楽しむきっかけが生まれる。
そんなものを創れたら、どれだけ幸せなことだろう。
いつもそう考えています。
「かまくら」は、そんな理想に近い存在ではないでしょうか。※

かまくらを作っていると、いつも自然に人が集まってきます。
挨拶してくれる人、少し立ち話をする人、手伝ってくれる人、遊んでいく人。
その皆が、期待・喜び・興奮という気持ちを自然に抱いてしまうように感じられるのです。

バス停の近くにある広場に作ったので、多くの人が立ち寄って楽しんでくれていました。

お手伝いしてくれた子供達が、夜家族を連れてみんなで楽しんでくれる様子も、たくさん見かけられました。
かまくらは、「竃蔵」「神座」などと書き、伝統行事の際の祭壇を覆う役割を担うものでもあります。
そのような歴史性からもかまくらの魅力を探ることはできますが、真の魅力は他にあるように思います。
そもそも、「かまくら」というものを知らない人から見れば、「雪のかたまり」「雪のほらあな」という物体でしかないのですから。
「雪のほらあな」に見える人に対しても、中に入ってみたいと思わせる、空間の力を持っているところ、また、かまくらを知る人には、団らん・暖かさ・儚さ、といったイメージを自然と想起させるところに、この「かまくら」の真の魅力があると思います。

街の片隅にできた、この小さな雪の洞穴に、また今年も建築やモノの可能性を雄弁に語られたような気がしました。


※:降雪量の少ない地域でつくるかまくらを想定しています